パウエル時代がいよいよ終わろうとしている。あと数日で、ジェローム・パウエルは連邦準備制度理事会の議長職を退任する。



正直なところ、彼の評価は複雑だ。インフレの「一時的」判断は大失敗だったし、市場はそれで痛い目を見た。でも同時に、パンデミック、40年ぶりのインフレ急騰、銀行危機、そしてトランプとの政治的対立という何重もの嵐の中で、本当の経済崩壊は避けた。これを「ソフトランディング」と呼ぶ人もいる。

2018年の就任当初、彼はイエレンの後を継いで利上げを続けた。だが2019年には一転、利下げに転換。その後のコロナショックでは、ほぼゼロ金利とQEで市場を支えた。2021年の「一時的インフレ」発言は今見ると笑えない。あれが後の急激な利上げサイクルへの道を開いてしまった。

2022年から2023年にかけての数十年ぶりの急速な利上げ。シリコンバレー銀行の破綻。そして最近のトランプ政権との激しい対立。ジェローム・パウエルは常に綱渡りの上にいた。

興味深いのは、彼が議長職を退いた後も理事会に残ると表明したこと。1948年以来の異例の事態だ。これは中央銀行の独立性を守る象徴的な行動だと市場は読み取っている。

後任はケビン・ウォーシュ。ウォール街出身で、トランプに近いと見なされている。市場の懸念は2つ。一つ目は、彼がより積極的に利下げに踏み切るかどうか。トランプは常に金融緩和を求めている。二つ目は、そもそも中央銀行の独立性を保てるのかということ。ここが本当に重要だ。

現在、インフレ率は依然として2%目標を上回っている。FRB内部の意見も割れている。もし市場がウォーシュを政治的に従属的だと判断すれば、米国債、ドル、リスク資産全体の価格が再評価される。

一般人にとっての実感は単純だ。パウエル時代は物価が上がり、ローンが高くなり、生活が厳しくなった。だから多くの人が気にしているのは、次の議長の名前ではなく、ようやく少し楽になるのかということだけ。市場が今抱えている不確実性は、パウエルという既知の変数から、ウォーシュという未知の変数へと移ろうとしている。
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